実用車ハブ

昔の実用車用のハブです。一般車用の普及品と思ったら大間違い、職人の手作業で仕上げられた、すばらしいできばえです。 隅々までバフ掛けで仕上げられ、細部の装飾は美しく、グリスニップルのカバーなどまで細かい細工が施されています。
ベアリングの具合もよく、レース用ハブと比べても遜色ありません。 昭和40年代まで、国産自転車ハブといえば三光舎、青山、DNB、三信、和田などが著名メーカでした。特に三光舎、青山、DNBは別格の高級ハブだったと記憶しています.

 

三光舎の前ハブ、グリスニップルのカバーはヒンジで開くようになっています。

 

青山の内拡式(ドラム)ブレーキ、アーム部までバフ掛けされ、ピカピカです。ベアリングの具合もよく、するする、クルクルとよく回ります。

 OCTの内拡式ブレーキ

 青山のハブ、前輪用の内拡式ブレーキ

 3分5厘軸の後輪用ハブ、グリスニップルが付いています。

 これも青山のハブ、重量物を運ぶためのものですので、制動力も強烈、ダウンヒルに使うこともできそうです。


 

 

 

 Sekine Works(セキネ自転車)の3分5厘軸リアハブです。完全防水と銘打たれたシールが非常にきれいなつくりです。当時のシール機構は、最近の接触型ゴムシールではなく、機械的な精度を確保したグリスシール (ラビリンスシール)ですので、まあビックリするような板厚のカップを、これでもかという狭いギャップで精巧に組み上げてあります。職人さんが1つ1つあたりを出して組み上げていたのだと感心します。

実用車用の箱錠

販売できるものではないのですが、古い実用車の箱型錠です。リフレクタ兼用となっている赤い部分が、金庫のダイヤルロックのようになっており、右に何回、左に何回と回すことで鍵が外れます。ちょっと見ただけでは、なにが鍵になっているかまったくわからない不思議な鍵です。

当サイト内の写真、文章の無断転記、複製を禁止します。Copyright 1997-2016 Akira Kogure